この記事は、ものに例えて、パーキンソン病を何となくこんなものだと捉えてる内容となっています。あくまで理解するとっかかりを得るために書いているので、詳細で正確な説明をお求めの方は、他の情報で理解されるのをお勧めします。
前回は、ドパミンを作る黒質を発電所と例えて説明しました。今回は、神経のネットワークである送電網に注目して説明を試みます。
*AIの助けを得て、細かいところを補強しています。AIには一次情報やエビデンスのある情報を元に情報を収集しています。
神経のネットワークを送電網に例えると…

発電所ではドパミンを生産し、神経のネットワークを介して、それぞれの筋肉に送られます。ドパミンを送るルートはメインルートと、サブルートの両方からその都度、最適なルートを選択しています。例えば、受け取り先の手で「ペンを持つ」動作をするのに、神経や筋肉の疲労具合、ペンの重さなどを考慮した上で、ルートの組み合わせに微調整を入れています。
なぜ、微調整を入れて「ペンを持つ」動作をするのか?それは、ある特定の神経を使いすぎて故障させないためです。また、効率的に動かすために、別の角度から動かせる筋肉がある場合は、あえて違うルートにドパミンを送り、動作を成立させるようにさせます。
また、送電網の組み合わせを変えることで、ルートが確保されているかどうかを確認しています。ルートが確保されていれば修繕し、使用可能な状態へ復帰。使われるルートの使用回数が少なかったり、メンテナンス不足等でルートが使えないと判断した場合は、電柱を撤去。つまり、送電網の微調整が取れる幅が減り、受け取り先まで電気が伝わらない状態になります
パーキンソン病の送電網は…

パーキンソン病の場合、ドパミンの生産がダウンしているので、使える送電網の確認が取りづらい状況になっています。それに伴い、送電網のメンテナンスが行き届かず、ルート上の選択肢が減少。PDイメージ図で示すと、電柱が撤去されたり、サブルートが消えたりして、使えるルートが少なくなります。
その結果、動作がゆっくりになったり、字が小さくなったり、すくみ足になったり等のパーキンソン病特有の症状が出現。それで、困った状態になるというわけです。
送電網を正常化に近づけるには?

「動かない」という選択肢は、送電網のメンテナンスを放棄すると同じ意味になります。パーキンソン病のリハビリ目的は、送電網内にあるサブルートの再構築と、現存するルートを不必要に破壊されないためにルートの維持が必要です。
ルートの再構築を行うには、「意外性」が、カギです。よく知られている方法としては、二重課題(デュアルタスク)を用いたり、LSVT-BIGのように意識的に大きな動作をして、神経に新しいルートを作るように促します。
個人的な意見ですが、私が参加しているセラサイズも神経のルートを再構築しているのでは思います。セラサイズについて詳しく知りたい方は、ここからホームページ移動してください。
参照した一次情報

神経ネットワークを送電網で例えて説明しました。今回、説明する際に参照した、脳科学の一次情報を載せておきます。もっと知りたい方は、参照ください。あくまで、素人が自分の観察で得たものを元に組み立てました。誤った説明がある可能性もあるので、ご注意ください。
1. 「使わなければ失われる(Use it or lose it)」の根拠
神経の可塑性と、刺激による構造維持に関する基本エビデンスです。
- Hebb, D. O. (1949).The Organization of Behavior: A Neuropsychological Theory. Wiley.
- 内容: 「ヘッブの法則(Neurons that fire together, wire together)」の提唱。神経活動がシナプスの構造を変化させる基本原理。
- Cotman, C. W., Berchtold, N. C., & Christie, L. A. (2007).Exercise builds brain health: key roles of growth factor cascades and inflammation. Trends in Neurosciences.
- 内容: 運動が**BDNF(脳由来神経栄養因子)**を増加させ、神経の構造維持と生存を助けることを証明。
2. 「構造が崩れる(脳地図の書き換え)」の根拠
不使用による脳の領域縮小(廃用性萎縮)に関する研究です。
- Pons, T. P., et al. (1991).Massive cortical reorganization after sensory deafferentation in adult macaques. Science.
- 内容: 刺激が途絶えた脳の領域が、他の機能に占拠(再組織化)されることを証明した画期的研究。
- Taub, E., et al. (2002).Pediatric constraint-induced movement therapy for patients in clinical practice. Archives of Physical Medicine and Rehabilitation.
- 内容: 「習得性不使用(Learned Non-use)」の概念を確立。使わないことで回路が機能的に消失する現象を指摘。
3. 「ルートの固定化(シナジーの減少)」の根拠
パーキンソン病における運動パターンの多様性喪失に関する研究です。
- Scholz, J. P., & Schöner, G. (1999).The uncontrolled manifold concept: identifying control variables for joint coordination. Experimental Brain Research.
- 内容: 運動の冗長性(ルートの多様性)を分析するUCM理論を確立。PD患者はこの多様性が減少することを後の研究で実証。
- Little, S., & Brown, P. (2014).The functional role of beta oscillations in Parkinson’s disease. Parkinsonism & Related Disorders.
- 内容: 脳内のベータ波の異常同期が、運動回路を「ロック」し、柔軟な切り替えを阻害していることを証明。
4. 「意外性のある動き(二重課題など)」の効果
パーキンソン病のリハビリテーションにおける最新のエビデンスです。
- Petzinger, G. M., et al. (2013).Enhancing neuroplasticity in the basal ganglia: the role of exercise in Parkinson’s disease. Movement Disorders.
- 内容: 運動がドパミン受容体の感度やシナプス可塑性を高め、脳内の「インフラ」を修復することを示す主要論文。
- Farley, B. G., & Koshland, G. F. (2005).Training BIG to move faster: the application of the speed-amplitude relation as a rehabilitation strategy for people with Parkinson’s disease. Experimental Brain Research.
- 内容: LSVT BIGの基礎。意識的な「大きな動作」が神経回路の再統合に有効であることを証明。
- Yogev-Seligmann, G., et al. (2008).The role of executive function and attention in gait. Movement Disorders.
- 内容: 二重課題(デュアルタスク)が歩行に与える影響と、認知リソースの配分に関する研究。

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